第1章

3/100
41人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
「それでは、ゲームの概要を説明します。この説明が終わると、みなさんの部屋のドアが開きます。説明は一度しかしないので、しっかり聞いてください。それでは説明します。」 ゲームの概要 選別された者は、被害者チームと加害者チームに分かれており、原則、被害者チームは加害者チームを全員殺さなければこのゲームは終了しない。 ルール1、自分が被害者なのか、加害者なのかは自分自身で、自分の過去と向き合い判断すること。 ルール2、自分が被害者なのか、加害者なのかは自分自身で、自分の過去と向き合い、加害した比重が多いのか、被害を受けた比重が多いのかで判断されること。 例、A君は中学校でいじめにあっていた。しかし、A君はその腹いせとして、自分より弱い者を容赦なくいじめた。また、親や兄弟にも八つ当たりをし、気に入らないことがあると、すぐにその矛先を自分より弱い誰かに向け、暴力を繰り返した。この場合、A君がいじめをうけたことが事の発端であるが、それよりもA君自身が、八つ当たりや自分より弱い者への暴力など加害の比重が大きいので、A君は加害者チームということになる。 ルール3、被害者チームが加害者チームを殺すことがこのゲームの主旨であるが、自分自身を本来は加害者チームであるにも関わらず、被害者であると誤認し、誰かを殺した場合、その当人もその時点で死んでしまうこと。 ルール4、最初の一日は、加害者チームは被害者チームの攻撃に反撃してはならない。反撃したものは、その時点で失格。ただし、二日目以降、加害者チームは被害者チームの攻撃に対して、反撃のみは許される。 ルール5、このゲームはどちらかのチームが全滅するまで続けられる。 「以上で、ゲームの説明は終了です。あと、ドアの向こうのどこかにボタンがあります。そのボタンを押すと、ひとつだけ質問が許され、それに対してお答えします。ただ、そのボタンは一ヶ所につき、一回のみ使用可能です。何ヵ所かボタンはあるので、それも探してみてください。最初から○○個あると答えが分かるより、自分で見つけるのもゲームの醍醐味でしょう。そもそも質問なんかあるかも分かりはしませんが。それでは、説明は以上です。被害者チーム、加害者チームのみなさん、この楽しいゲームを命をかけて思う存分味わって下さい。それでは、両チームのご健闘を心より期待しています。」
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!