第1章

30/100
前へ
/100ページ
次へ
「はい。ともやです。」 「ボーイ…。じゃない。じゃない。んは。智也くんだね。結構、自己紹介とかして、場も和んだね。そういえば、智也くんはさっきのアナウンスとか聞いたかな?」 (とうとうきた!) 智也はそう思った。このオヤジは多分、被害者チームとか加害者チームとか探りにくるつもりだろう。普通ならこのゲーム自体、信じないはずだが、このオヤジなら信じそうだと智也は根拠はないが、自分の中でそう感じていた。そこで、少し先手を打ってみることにした。 「聞きました。被害者チームとか加害者の話ですよね。僕は被害者チームだと思いました。勝也さんは、何チームですか?」 智也は自分が昔、いじめをしていたこともあり、「加害者チーム」と思っていた。だが、そうするとこのオヤジが「被害者チーム」だとしたら、俺は一方的にこのオヤジにやられるかもしれない。でも、たしかアナウンスでは、「被害者チームは加害者チームを殺す」というルールだったので、自分が「被害者チーム」と言えば、このオヤジも何も手だしはしないだろうと思っていた。しかし、その考えは、智也の考えであり、勝也の考えとは違うかもしれないことを智也は考えていなかったー。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加