第1章

6/100

41人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
勝也は学生時代から属するチームの判別が不可能と分かると、次は社会人になってからのことを考えてみた。 勝也は、いま経営している中小企業を大学卒業してから立ち上げた。そして、その経営者としての職場での環境において、自分は「加害者チーム」なのか、それとも「被害者チーム」なのかを考えてみた。 勝也は仕事自体は何も不満はなかった。ただ、社員に対しては不満があった。男性社員はともかくとして、女性社員に対しての不満は大いにあった。 勝也は、自分の性格を客観的にみれておらず、自分が気に入った女性社員を飲み会に誘い、断られると嫌がらせをし、結果的に退職を余儀なくさせるということを繰り返していたのに気がつかなかった。また、一度でも女性社員があくまで職場上のつきあいとして、飲み会に行こうものなら、勝也はその女性社員が自分に「好意を寄せている」と勘違いし、何度もしつこく飲みに誘った。その結果、この女性社員も社長に嫌気がさし、退職するという選択をする。この連鎖を繰り返し、勝也は嫌気がさしていた。 「僕は、なんて部下に恵まれていないのだろう」とー。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加