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「僕と、つきあってほしい」
「は、はい」
思わず返事をしてから、アナはその意味を理解して動悸が急に激しくなるのを感じた。
「やった!」
とたんに彼は笑顔で一杯になり、嬉しそうにアナの手をとる。
「きゃ」
「あ、ごめん」
慌てて手を離す。
「あ、いいえ」
あ、やだ、離さないで、、、とアナは思ったが、口にはできない。
「行こうか」
学校の方角を見てアレックスが言った。
アナは離されてしまった彼の左手から目が離せない。
「アナ?」
「は、は、はい!」
慌てて彼の顔を見る。
アレックスは噴き出し、 「やっぱ手、いい?」 と聞くと、アナの返事を待たずに彼女の右の手のひらをそっと握った。
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