302人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日、アナは具合が悪いといって大学を休んだ。
リハビリのため病院に行ったママも含め、家族は出払っていてアナひとりだった。
本当に頭がガンガンしたので、朝、痛み止めを飲んでまたベッドにもぐりこむ。
何も考えたくない。気を緩めると涙が溢れそうだった。
ピンポーン
うとうととする意識の向こうで、呼び鈴が鳴った気がした。
ドンドンドン!
今度はドアを叩く音。
無視を決め込み、毛布のさらに奥に潜り込む。
ドンドンドン!
もう、しつこいな。宅配便だろうか。
それなら不在表を置いてってくれればいいのに。
そう思いつつ、仕方がないのでパジャマの上に春もののコートを羽織って、ドアを開ける。
「はい、、、」
「アナ、、、!」
「、、、!!」
そこに立っていたのは、確かに昨夜、大陸の反対側にいたはずのアレックスだった。
「、、、どうしてここに!?」
「あれからすぐに夜行便に乗って来た。アナ、とにかく話をさせて?」
「や、、、!」
首を振って引き下がるアナを、アレックスは一歩家の中に入って詰め寄ると、ふわりと抱きしめた。
「アナお願いだから、、、!」
「うっうっ、、、」
泣き出したアナをアレックスはさらに強く抱きしめた。
最初のコメントを投稿しよう!