フラワーガールの恋

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、、、食事?  、、、女の人と?  、、、まだ正午前だよね? いやいや、きっと仕事だ。そうに違いない。 現地には女性スタッフだっているだろう。 アナは必死に自分にそう言い聞かせた。 、、、でも。 誰かと外に食べにいくくらいの余裕があるのなら、どうして電話のひとつもくれないの!? 電話をすると言ったのはそっちじゃない。 クリスマスには帰るよと言ったのも、そっちじゃない。 離れ離れになっても、がんばろうねって言ったのも、そっちじゃ、、、 ポタポタと、キッチンのカウンターに置いたアナの手にしずくが落ちた。 、、、もう限界だった。 アナは家中全ての電話線を引っこ抜いた。 パソコンを開いて、彼のメールを着信拒否にした。 「お姉ちゃん、どうしたの?」 アナの様子がおかしいのにエリカが気づいた。 エリカには、アレックスがクリスマスに来るはずだったことも、ダメになったことも、話してあった。 「ごめん頭痛いから、先に休む」 「えぇ? 薬飲む?」 ううん、とアナは首を横に振る。 「そうだ、電話、かからないようにした。明日には戻すから」 「もしかしてアレ、」 アナはエリカを制止するように指を立てた。 「今後もし彼から電話がかかってきても、一切取りつがないでね」 「えっ」 「かかってもこないかもだけど」 「何があったの!?」 「もういいの。なにもかも。もういいの。、、、おやすみ」 アナは悲しそうに微笑むと、自室に入ってしまった。
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