フラワーガールの恋

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*** その日はお休みの日で、アナは隣の州の母親を訪ねていて、かなり帰りが遅くなってしまった。 最近、母は糖尿病を患って、体調も一進一退であった。 普段は必要に応じて妹夫妻が面倒を見ているが、月に一度は、アナが母の様子を見に行っている。 今日は妹の子供が学校で何かで表彰されたとかで、孫自慢を聞いているうちにすっかり遅くなってしまった。 (もう夕飯を作っている暇がないし) そう思って自宅に荷物だけ放り込むと、すぐに自転車に乗って近所のスーパーに向かった。 さすがに車はもうだいぶ前に手に入れたが、さっきまで帰省のために片道何時間も運転してたし、健康のためにも近場に行くときは自転車に乗ることにしていた。 すぐに晩御飯のおかずになりそうなお惣菜と、朝ごはんに欠かせないミルクとシリアルと、フルーツ類。 好みのフレーバーのアイスクリームも少しだけ。 ぽんぽんとカートに放り込み、レジに並ぶ。 夕方のかなり遅い時間だったが、レジは混んでいて人が並んでいた。 一番短そうな列について、ふと前の人のカートの中身を見ると、どれもこれも電子レンジでチンでできる、インスタントものばかりだ。 (体に悪そう、、、忙しいのかな、この人) そう思って目線をあげると、視線を感じたのか、その人も振り返った。 「、、、!!」 「やあ。ここで買い物してるんだ?」 それは、私のせりふです。 、、、とはさすがに言えないので、取り繕うように何かを言おうとしたのが裏目に出た。 「そんなものばかり食べてるんですか?」 つい本音が出てしまった。 (あ、まずい!) と思ったものの後の祭り。 アレックスは一瞬驚いた顔をしたが、すぐ笑い出して、 「確かにね。料理は別に嫌いじゃないけど、自分ひとりのためだけじゃ作る気になれないんだよ」 「えっ!?」
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