フラワーガールの恋

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*** 「あ」 二人でガーデンを横切って歩く途中、アレックスが何かを拾った。 「蘭の花がひとつ落ちてる」 「あら」 「君のドレスにつけるところはないな」 「今回は汚してないもん」 すねた口調でアナが言う。 「ははは、、じゃ、はい、これ」 花を手渡そうとするアレックスに手を差し出したら、腕ごとぐぃっと引き寄せられた。 「んんっ」 慌てて唇を離し、彼を引き剥がしにかかる。 いくらなんでも、自分の部下たちが見ている前でこれは、、、 赤くなって抗議の目で彼を見つめるアナに、アレックスは、 「ごめん、可愛くてがまんできなかった」 と謝った。 なによ、ぜんぜん反省してないくせに。 アナはアレックスの耳元に唇を寄せると、 「続きは、あとでね」 と囁いた。 今度はアレックスが赤くなる番だった。 目を丸くしてアナを見つめたが、すぐに彼女の体をまたぐぃっと引き寄せ、今度はぎゅっと強く抱きしめた。 「花、花がつぶれる!」 アナが軽い悲鳴をあげた。 「あ、ごめん」 アレックスがひょい、と体を離す。 花は無事だった。 あぁー。もう。 二人で笑い出した。 (もう決して、見失わない) アナは手渡された白い花を見つめて、もう一度隣にいるアレックスを、愛しげに見つめるのだった。 The End.
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