第2章 過ちの朝
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こんな弱い酒じゃ…酒豪のわたしは酔えない。 「酒を飲んで現実逃避するくらいだ。婚約者を忘れられていないな」 「すべての元凶はわたしの父の会社にあります」 「会社?」 「わたしの父の会社は中堅の薬品会社『宝和薬品』の社長で、娘のわたしは秘書を務めています。婚約者は大手のメガバンク『帝和銀行』に勤めていて」 「へぇーキミの彼氏は銀行マンか…」 彼の声は興味深々だった。
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