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わたしは川瀬さんをいつものフレンチレストランで待つ。
金曜日の夜とあって、カップルで店内は混んでいた。
彼は帝和銀行赤坂支店の融資担当者として勤務して4年目。
父親の大口融資を請け負う銀行とあって、何かと情報を拝借していた。
「待った?乃彩」
「ううん」
川瀬さんが明るい笑顔で、わたしの前に腰を下ろして来た。
隣の空いた椅子に重たそうなビジネスバックを置く。
銀行マンは身だしなみが大切と言って、川瀬さんはいつもビシッとスーツを着こなし、髪は短髪にカットして清潔感を出していた。
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