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「なんや、自分めっちゃおもろい子ぉやな! しかもべっぴんやしなあ。今度描かせてくれへんかな!?」
「絶対イヤだ」
「えー。じゃあ代わりにヒナがモデルやって、裸婦で」
「却下ッ!!」
怒髪天を突く勢いで樹から否の声が上がる。
「なんだろ、ふたりは仲良くなってくれた……のかな?」
不安げなヒナの声に、「仲良く見えるのかお前」と樹はげんなり、ルカはにんまりとした表情を浮かべる。
「大阪人はな、誰とでも仲良ぉなれるんや。なぁ、樹くん?」
樹は無言の拒絶を示しながら、ムッツリとルカを睨む。
けれど、樹の不機嫌など全く意に介さないルカは、ニコニコなえびす顔のまま、二人の腕をワシッと掴んだ。
「というわけで、どっかでお茶しよかー」
「――――なに!?」
一刻も早くルカと別れたかった樹は驚愕の声を上げたが、ルカはおかまいなく二人を拘束し、近くのカフェへと引っ張っていったのだった。
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