不信の瞬間

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「ううん。 ご飯はさっき上司と食べてきたの。 これは明日の朝ご飯。」 私はカゴの中身を指差し、勇樹にそう説明した。 明日は仕事がないから。 ゆっくり眠って朝昼兼用の食事で済まそうと思っている。 私が明日休みだという事を聞いて、勇樹は溜め息を吐き羨ましがった。 「いいよなー。 俺、カレンダー通りの休みだからさ。 平日に行きたい所があるのに、土日しか休みがないからずっと行けなくて・・・。」 勇樹はガス給湯器の販売と管理をしている会社でルート営業を行っているそうだ。 休日は隔週土曜日と日祝日のため、役所や病院にはなかなか行く事ができないと話す。
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