不信の瞬間

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勇樹は慧や昂太の知り合いだ。 さすがにこんな時間から・・・という懸念はあったが、“Ruby & Diamond”のインディーズ時代のライブ映像と言われれば思わず興味を示してしまう。 「今度の週末に返しに行かなきゃならないんだよ。 だから、お願い!! 俺は明日仕事があるから、あまり遅くならないうちに帰るからさ。」 どうしよう・・・。 迷う。 以前昂太が札幌に来た時、私は彼を家に入れる事を拒んだ。 その事実が後を引き、同じ“慧の友達”である勇樹を自宅に招く事に少しだけ抵抗があったのだ。 いくら知り合いと言えど、気軽に男性を家に上げるなんて事になれば印象は良くない。 私は自分の体面だけを気にしていた。 だけど・・・。
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