不信の瞬間

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「いいよ・・・。」 迷ったけど、やっぱり観たいもんは観たい。 私が“OK”の返事をすると、勇樹は顔を綻ばせて喜んだ。 「ありがとう! 一度DVD取りに家に帰るから、そのまま飯食ってから家に行っていい?」 「うん。わかった。」 「じゃ、連絡取れるように電話番号教えてよ。」 そういえば私、この前カラオケで会った時に勇樹とは電話番号を交換していなかったっけ。 「わかったよ。080-XXXX―――」 “慧”を軸にして広がっていく人間関係。 彼の友達と繋がっていく度、私は一層慧から離れられなくなる。
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