第1夜

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「写真の日付、1週間前ですね。この日、どちらの方面に出掛けました?」 1週間前か。 多分、学校から家に帰らずに、まっすぐ写真を撮りに向かったんだから。 「商店街の方かもしれません。」 長い商店街の中には、道祖神(どうそじん)や、あたしには読めない字の石碑、小さな祠(ほこら)などがたくさんある。 その一角に、神社を見つけた。 多分、そこの狛犬だと思う…自信ないけど。 「商店街か。成る程。」 先生は頷(うなづ)く。 「亜紗陽君。悪いけど、もう1度確認してきてくれないか?」 …えっ。 また行くの? ここからだと距離あるしなあ。面倒くさいなあ。 「返事は?」 「は…はい!もちろん、喜んで行かせていただきます!!」 先生は「よろしい」と言って、ニヤリと笑った。 …この人の、人使いの荒さを忘れてた。 この点では、四季神といい勝負かも。 そう言えば、年代も近そうだなあ。 これくらいの年頃の男性は、皆、そうなのかな? 男尊女卑? 正直、たまんないわね!
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