桜の華に誘われて…

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いつの間にか僕は大通りを抜けて、 小川の流れる静かな所を歩いていた。 こっちに来てだいぶ経つけど、この辺りは来たことなかったなぁ。 小川の両脇には木が並んでいて、 満開の桜が綺麗に咲き誇っている。 風が吹くと、その桜はひらりひらりと舞い散り、 流れる川の水面に落ちてゆく。 あーあ、こんな事ならお団子残しとけば良かったなぁ。 ならお花見も出来たのに。 屯所の前にも桜の木が咲いてるけど、 まだ満開じゃなくて七分咲き位だったかな。 そう言えば、この前左之さんと新八さんが、 "満開になったら花見しようぜ"とか何とか言ってたっけ。 でもあの二人は、花よりお酒って感じがするけど。 僕も花より団子って感じだから人の事言えないか。 そんな事を思いながら歩いていると、 少し向こうに小橋が架かっているのが見えた。 へぇー、折角だし渡ってあっちに行ってみようかな。 そして橋の手前まで来た僕は、一瞬足を止めてしまう。  
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