外の仕事

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外の仕事

悪夢の面接から2日後、早速別のお店選びを開始した俺は再び求人雑誌をめくり、連絡を入れる。今回選んだ店も系列店舗を5店舗持つグループであり、とにかく前回と同じ失敗をしないようにと、初めての面接とはまた違う緊張感を抱きながら お店に向かった。そして、 「よろしくお願いします!」 今回は至って順調に進み、採用。明日からこの店で働く事が決まった。この店もさほど広くなく、慣れるにはちょうど良さそうな感じがする。自分が実際お客さんとして飲んでいた時は黒服の仕事なんてたいして気にも留めなかったし、正直言ってあまり大変そうな印象もない。 (楽勝だろ!何とかなんだろ!とにかく楽しくやろう!!) 迎えた初日。 (可愛い子いるかなぁ♪どんな仕事すんのかなぁ♪ビール飲みてぇなぁ!!) など様々な思いを抱きながらの初出勤。 与えられた仕事は《キャッチ》と呼ばれる仕事だった。営業が始まるとすぐに外に出され、客を入れるために声をかける仕事。正規の料金はもちろんあるのだが、お店が暇であれば安くしてでも店に客を入れ、少しでも売上げに結びつけるといった感じ。決してボッタクリの類いではないのだけど、世間一般的には 《キャッチ》=《ボッタクリ》的なイメージはあるだろうし、実際そういった店も少なからず存在するのも事実。でも俺がするのはそっち側ではないし、自分が飲み歩いていた時もよくキャッチに声を掛けられた経験はあるし、実際安くしてもらった店も何件もある。ハッキリ言って見た目にはとても簡単でラクな仕事に映っていた。 (超楽勝じゃん!) と。ところが…、いざ自分が道行く人に声を掛け、料金を下げて交渉し、頑張ってみても粘ってみても、全く客を捕まえられない…。
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