外の仕事

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初めての店内業務。作業分担的には大きく分けて4つにまとめられていた。 一つめはキャッシャー、伝票係 二つめは女の子の回し係 三つめはホーム係 四つめはカウンター、厨房係だ。 お店自体が大きければこれらの各ポジションの人数が多くなるだけで、基本的にはこの4つ。そして店長が女の子や売上げの管理を行う感じ。当然黒服には役職があり、店長・副店長・主任・平社員などに分かれる。これも大きな会社であればその上に部長や専務・常務などといった人達が存在するのだが、営業自体にはあまり入らないものらしい。小さな個人経営のキャバクラなどでは、オーナー兼店長というのも珍しくはないが、俺の働くこの会社は先ほどの役職者達がズラリと揃う、まさにピラミッド的縦社会が存在していてそのトップに社長が君臨している。まぁ、今の俺には無縁の世界の住人達であり、話す機会さえあまりない。 早速店内に入り、まず最初に与えられたポジションはカウンター・洗い場業務だった。グラスを洗い、灰皿を洗い、オーダーされたドリンクを作り、アイスを並べ、ミネラル管を並べ、軽いフードを盛り付け、またグラスを洗い…と、これらの作業をひたすら繰り返す。外の仕事に比べればまだマシな方だが、それでもかなり微妙…。このカウンターの仕事は正直一日で飽きてしまった。 無い物ねだりかもしれないが、外の仕事にはちょっとした会話のうまさや、アドリブ的な会話での料金交渉のセンスが必要であり、客を入れるためには安さよりそっちの方が重要な場面が幾度もある。 店に連れて行けた時の達成感や喜びなんかを少しは味わうことが出来た。 しかし、この洗い場の仕事にはそういったものが全くない。退屈だ…。 ただ単純に、黙々と、淡々と、延々と、同じ事を繰り返すだけ。それはそれで大切な仕事であり、必要なのもわかるのだが、俺としては《レストラン》に働きに来ている訳じゃない。キャバクラで働いている…はず……。カウンターに居るからといって、もちろんビールは飲めない。
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