第2話 ほんの少しの勇気

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中庭のベンチに座り涙を拭うように、ひじ掛けにうつ伏せになった。 「…千波」 はぁはぁと息をたて、優莉は私の名前を呼んだ。 嫌だ、呼ばないでよ 「ねぇ千波、千波ったら」 だから、そんなに呼ばないでって 私は顔を上げずに、何も答えない。 上げたらきっと、優莉に迷惑がかかるから。もうかけてると思うけど、やっぱり駄目。 何度か優莉は私の名前を呼び続けたが、突然何も言わなくなった。 「…み、…っ」 え…? 「…ちなみっ、ち…な、みぃ…」 う…そ?優莉が泣いてる? 私はバっと顔を上げ、優莉を見る。 やっぱり優莉は泣いていた。 「ご、めん…っ、わったしが、何もいなかったから…」 違うよ、優莉 違うの… 私が悪いんだから、優莉があやまんないでよ
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