第1話 不安

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はぁ… 不安と悲しさが混じって私の口からため息が漏れる。 そしてタイミングを計っていたかのように、ため息と同時に涙が出てきた。 ぼろぼろとこぼれてくる涙が、わたしの頬を伝って制服に黒く染みわたる。 止まれ、止まれ、止まれ! 強く願っても止まる事なく、肩が震える。 隣にいた、あまり喋ったこともないクラスメイトから「大丈夫?」と聞かれる。 2年間も一緒だったのに、こんな優しい子と話さなかったなんて。 後悔が押し寄せる。 ごめんね、ありがとう 言葉には出なくて、その子は困った顔をしていた。 私の涙は止まらなかった。
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