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◇
「んっ…」
重い瞼を開けると、そこは見慣れない風景だった。
視界には男性の後ろ姿…
鏡の前でネクタイを結んでいる。
ぼんやりとしていた視界が、霧が晴れたように鮮明になる。
ここは…!?
私は一糸纏わぬ姿だ。
男性がゆっくりと振り向いた。
「華ちゃん、おはよう」
男性の左手の薬指には、マリッジリング。
「…て、店長。私…」
「ごめん。同じ職場でありながら。こんな関係に…。でも君の気持ちは嬉しかった。僕も以前から同じ気持ちだったから…。昨日社長とあんなことがあり、僕達どうかしていたんだ」
店長と私が…?
僕達どうかしてた?
私…店長に何言ったの?
同じ気持ちだったって…?
「華ちゃん、覚えてないの?」
「あの…ここは?」
そうだよ。
ここは何処なの?
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