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【華Side】
「木葉羅瑠久(きばらるく)、星華大学(せいかだいがく)三年、宜しくお願いします」
爽やかな好青年。
スレンダーな体。
ブルーの瞳、黒髪。
カラコンだと思ったけど、名前からしてどうやらハーフらしい。
ここはフラワーショップ華(はな)、銀座店。
偶然にも私と同じ名前。
フラワーショップ華corporationの店舗は、都内に数十店舗あり、小さな店舗は駅の構内~銀座店のように、フラワーアレンジを専門とする店舗もある。
店長は幹良介(みきりょうすけ)、三十二歳、妻子あり。
お局様は小林早苗(こばやしさなえ)、三十五歳。店内でフラワーアレンジの教室を開くほど、彼女はその世界で知名度も高く、彼女のお陰で注文は殺到。
独立しても十分やっていけるはずなのに、当社と専属契約を結び社長が手放さない。
そして私、椿華(つばきはな)、二十九歳。一応フラワーアレンジの資格もあるが、まだ教室を開くほどの人気も実力もない。
勤続七年目にして、未だにお局様のアシスタントだ。
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