【一】秘密の恋

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「木葉羅瑠久か、ハイカラな名前だね。お母さんがアメリカ人なんだ」 「はい。母がアメリカ人で父が日本人。外見はハーフですが、ずっと日本で育ったので、英語は苦手ですが簡単な英会話くらいなら可能です」 店長の質問にサラリと答える。 なんだ、英会話出来るんだ。これで日本語しか話せなかったら、逆に笑えたのに。 「今夜木葉君の歓迎会をするから。凛子ちゃんも参加出来るよね」 「はい」 「新社長になりアルバイトは顔で合否が決まる。だからみんな続かない。すぐ辞めちゃうんだからさ、教えてもキリがないよね。華なんて、今だったら絶対受からないよね」 ていうか、早苗さんだって不採用だよ。 「まぁまぁ、内輪揉めしないで。社員同士楽しくやりましょう」 「楽しくなんてやってらんないよ。得意先回りの花材もう用意してる?華、活けに行くよ」 「はい。今日は五店舗です」 車に花材とグリーン(葉もの)を積み込み、私と早苗さんは二人で契約先のクラブやバーに向かう。
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