【四】危険な恋

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早苗さんは… 気付いてるの? だから店長を、桃花ちゃんのフォローに? 「華ちゃん、手が止まってるよ。その花束、マトリカリアやモカラを加えると、可愛いと思うよ」 「あっ、はい」 黄色の花びら、依頼主の要望で花束のカラーは黄色。 グリーンとも相性がよく、明るい色。 「おはようございます」 「はい、いらっしゃいませ」 店頭で年配の男性の声がした。視線を向けると、スーツ姿に凛とした立ち振舞いの男性。 前社長…!? 私は教室の隅で、花束に身を隠す。 「…社長。お久しぶりです」 「もう私は社長ではないよ。小林さん元気そうだね」 「この度は、お口添えありがとうございました。社長が私を役員に…」 「はて、何のことかな?私は今日花束を作って欲しくてね」 「花束…ですか?」 「妻の誕生日なんだ」
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