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「早苗さん…。奥様に花束って…辛くないですか。どうして社長はそんなことを…」
「華ちゃん、それは違うわ。社長は役員に抜擢したことと、過去の恋愛感情は無関係であると伝えに来たのよ。伸び伸びと自由にスクールの運営に携わりなさいと、トゥモローの花をプレゼントしてくれたの」
社長の気持ち、早苗さんにはわかるんだね。
二人は今も…
気持ちは繋がっている。
それは男女の愛とか、そんな次元ではなく、人と人との深い愛。
私と店長も…
こんな風になれるのかな。
私達は…
これからどうなるんだろう。
海原にこぎ出すのも、港に戻るのも、それは私達次第。穏やかな波なら航海も出来るけど、荒れ狂う波ならば沈没しかねない。
トゥモローの黄色花を眺め微笑む早苗さんは、いつもの厳しい目をした早苗さんとは、別人のようだった。
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