─誤算─ Act34.

5/13
前へ
/40ページ
次へ
「せっかく部屋、 取ってくれたのに…」 「ゆっくりするために取ってるだけだから」 堂々と言い切ってしまえば、嘘っぽくも聞こえまい。 ところが、返ってきた答えはオレの予想とは真逆だった。 人目も気にせず、美緒はオレにもたれかかる。 「…いいの。 あたし、したい…」 ささやくような声。 似つかわしくないセリフを吐いて、美緒はオレの腕にしがみつく。 顔をすり寄せられ、劣情を感じた。 無言のまま、そろってエレベーターに乗り込む。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加