─誤算─ Act33.

4/8
前へ
/40ページ
次へ
「いや、ちゃんと寝てるって」 「あら、そう? せいぜい、あたしの半分くらいね」 軽口を叩いて、由里子は笑う。 美緒のことを知られたんじゃないかと心配する必要はなさそうだ。 そう思う一方で、無言のメッセージのように思えたのもまた事実だった。 由里子には知られたくない。 だが、手を引くこともできない。 オレの腹積もりを知れば美緒は傷つくだろう。 せめて傷を浅くしてやることは可能だろうか。 オレはどうしたらいい。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加