─誤算─ Act33.

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たとえば…そうだ。 彼氏が浮気していたなら別れる、と真紀は言っていた。 美緒はどうだろう。 性格も考え方も真紀とはまったく違いそうではある。 他に女がいるように見せかけてみようか。 いくら従順な美緒でも、浮気性の男とは付き合いたくないだろう。 結婚していて逃げられなかったオレの母親じゃあるまいし。 試してみるか。 グローブボックスに放り込んだままのブレスレットがあったことを思い出していた。 隆弘はオレ用に作ったと言うが、造りが華奢で男物には見えない。 清楚系の美緒には似合わないデザイン。 これまで、ガラケー以外に物を買ってやったことはない。 自分のためのものと勘違いすることはないだろう。 パッケージには、”For LOVERS”。 小道具として使うには、なかなか気が利いてるじゃないか。
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