6人が本棚に入れています
本棚に追加
「[視覚改変]。まぁ、残ったのはこれだけだがこれも暴かないことにはどうにもならん。じゃあいくぞ」
「うん」
「詩織、[空間干渉]はなんでだめだったか覚えてるか?」
「えーと・・・。たしか同じ場所が二箇所もないからだめ・・・だったっけ」
「まぁ、じゃっかん省いてるが良しとしよう。じゃあ、[認識改変]は?」
少し考えて。
「・・・・・・トマト・・・」
「・・・まぁ言いたいことはわかる。俺が悪かったから睨むな」
よほどトマトに見えると言われたのがショックだったらしい。
「話を続けるぞ。結論から言ってしまうと、[視覚改変]は[空間干渉]や[認識改変]のような問題がない。なぜなら[視覚改変]は同じ場所が二箇所なくても、好きなように改変して同じ場所を見せることができるし、[認識改変]のように何かが違うものになったりはしないからな」
それでも詩織は疑問をもつ。
「でも、[視覚改変]してる人も蟻は見えないよ?」
「あぁ、それか。まず詩織、お前の考えは間違ってる」
「え?」
「前提として[視覚改変]と[認識改変]は似てるようでまったく違う」
「・・・・・・・・・・」
もうフリーズ寸前なのだろう。
「あと少しだから聞け。何が違うのかと言うと、簡単に言ってしまえば[視覚改変]は相手の視覚を自由に変えれるから、さっき例えで出した蟻を見えなくすることが出来る。だが[認識改変]は認識つまり物の見え方を変えることが出来るだけで実際にある物を見えなくすることはできないんだよ」
「はぁ・・・」
考えることをやめたのだろうか・・・。
「ここでお前の番だ」
「へ?」
「[視覚改変]は[認識改変]とは違い見えなくすることも出来るが、致命的な弱点がある」
「弱点?」
「一番わかりやすいのは、風だ。[認識改変]なら風への認識も変えられるだろう。だが、[視覚改変]は見えているものを変えたり、消したりできるが、風を変えることなんて出来ない。故に・・・」
最初のコメントを投稿しよう!