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「と、言うわけで一人確保だな」
メンバー探し。
詩織と翠月が今、行っていることである。
「やっぱり・・・そうなるよね・・・」
その祝福すべき最初の犠牲者は・・・。
「拒否は認めないからね
笑顔の詩織に顔を覗き込まれている夢幻だった。
チームメンバー確保→八代 夢幻
「そんな悲しい顔するなって、どうせもう逃げれないんだし」
翠月が小ばかにしたようなことを言っても今の夢幻には苦笑いするしかなかった。
そんな三人が今いるのは勝手に不法占拠した生徒会室である。
「そういえばこの学院でまだ上級生を見てないな」
そう、翠月達はもちろん他の新入生も誰一人として上級生を見ていないのだ。
それどころか、上級生に関する話すら聞いたことがないのである。
「上の階に行っても、空き教室ばかりだしな。まるで・・・学校の形をした箱みたいだ」
「上級生の人たちはもう他種族の世界に行っちゃった・・・とかは?」
「それか・・・全員くたばったか・・・だな」
詩織と翠月はそれぞれで考えた。
そして可能性のある二つの推測を夢幻は否定することができなかった。
「そういえば、蒼忌・・・だったよね。創作系の能力なんて珍しいね」
「そうか?」
「創作系?」
「最低限の知識はつけとけって言ったろ」
はぁ。とため息をつき詩織に能力の説明を始めた。
「能力、つまり異能は主に三種類ある。
一つ目は[干渉]。
簡単に言ってしまえば、既にある物を自由に動かせる能力だ。
二つ目は[改変]。
これは既にある物を増幅させたり同系統の違うものに変化させることが出来る能力だ。例を挙げるとすれば、詩織の[速度改変]。速度を速くしたり遅くしたりできるだろ。
最後、三つ目は[創作]。
この力は、無から有を生み出すわけではなく、有から有を創り出す能力だ」
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