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「ふむ、良いじゃろう。じゃが・・・」
目の前にある光景をみて月影が言う。
「まさか、本当に集めるとはのう。正直おぬし達なら二人でも行くと言うと思っとったのじゃが」
「五人って言ったのはお前じゃなかったか?」
「目安としてじゃよ。多すぎても動きにくいじゃろうからの。言うておくと、もうすでに異世界に行っとる者もおる」
「そいつは何人で行ったんだ?」
その質問を待っていたかのように笑みを浮かべ言った。
「・・・・・ハートの1、つまり四人いるエースナンバーの内の一人。
序列[2位]、皆からは[アルケミスト]と呼ばれておる者じゃよ」
「[アルケミスト]?。錬金術師・・・か?」
そこで月影は意外そうな顔をした。
「なんじゃ、知らんのか?、こやつの異能はそこそこ有名じゃぞ?」
「噂程度しか知らんな」
「噂は信じぬと言うわけかの。じゃが、そなたが知らぬともそっちの者は知っとるのではないかの?」
月影は翠月の後ろにいる四人に目をやる。
「はい・・・、僕も噂程度ですが信憑性はかなり高いかと」
夢幻がそう答えると業が思いがけないことを口にした。
「俺は、一度やりあったことがある」
「ほう・・・。どうじゃった?」
一息おいて業は口を開く。
「・・・奴には手も足もでなかった。あいつ自身の肉体は別に普通だろう。だが、あいつの思考回路と異能は正直言ってレベルが違う。やつの異能はあらゆるものを合成させ[変質]させる。すなわち[錬金創作]。翠月と同じ[創作系]の異能だ」
「・・・詩織より序列が上・・か」
その言葉で沈黙が広がる。
だがそこで詩織が一つの疑問を口にした。
「でも、序列選定試験のときにそんな能力の人いたっけ?」
この言葉で皆は記憶をたどるように考え始めた。
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