妖怪の街に落とされて ~First game~

2/20
前へ
/45ページ
次へ
「ふむ、良いじゃろう。じゃが・・・」 目の前にある光景をみて月影が言う。 「まさか、本当に集めるとはのう。正直おぬし達なら二人でも行くと言うと思っとったのじゃが」 「五人って言ったのはお前じゃなかったか?」 「目安としてじゃよ。多すぎても動きにくいじゃろうからの。言うておくと、もうすでに異世界に行っとる者もおる」 「そいつは何人で行ったんだ?」 その質問を待っていたかのように笑みを浮かべ言った。 「・・・・・ハートの1、つまり四人いるエースナンバーの内の一人。 序列[2位]、皆からは[アルケミスト]と呼ばれておる者じゃよ」 「[アルケミスト]?。錬金術師・・・か?」 そこで月影は意外そうな顔をした。 「なんじゃ、知らんのか?、こやつの異能はそこそこ有名じゃぞ?」 「噂程度しか知らんな」 「噂は信じぬと言うわけかの。じゃが、そなたが知らぬともそっちの者は知っとるのではないかの?」 月影は翠月の後ろにいる四人に目をやる。 「はい・・・、僕も噂程度ですが信憑性はかなり高いかと」 夢幻がそう答えると業が思いがけないことを口にした。 「俺は、一度やりあったことがある」 「ほう・・・。どうじゃった?」 一息おいて業は口を開く。 「・・・奴には手も足もでなかった。あいつ自身の肉体は別に普通だろう。だが、あいつの思考回路と異能は正直言ってレベルが違う。やつの異能はあらゆるものを合成させ[変質]させる。すなわち[錬金創作]。翠月と同じ[創作系]の異能だ」 「・・・詩織より序列が上・・か」 その言葉で沈黙が広がる。 だがそこで詩織が一つの疑問を口にした。 「でも、序列選定試験のときにそんな能力の人いたっけ?」 この言葉で皆は記憶をたどるように考え始めた。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加