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湯屋から出るとそこには一台の車と共に二人の女の子が立っていた。
一人は髪が腰の辺りまであり、眼鏡をかけなぜか頭に人形のようなものがのっている。
もう一人は、背がかなり小さく小学生くらいの者だが、その少女の右眼は眼と呼べるものではなく、見たままを言うと[矢印]だった。
それは紛れも無く[妖怪]ということを証明していた。
「しかし、こうしてみるとずいぶんでかい車だな」
そこにあった車を見て業がつぶやく。
「まぁ、知らんうちに車の中にいてゆっくり見る暇もなかったからな」
「あんたらがいきなり車の中にでてきたときは危うく事故るとこだったわ」
[数時間前]
「ちっ、結局剛天のこと聞けなかった」
「あの~・・・」
「帰ったら月影殺していいよね?」
「すみませ~ん・・・」
「やめとけ、詩織が言ったら洒落にならん」
「・・・・・・」
「おい、翠月・・・わざと・・なのか?」
「なにがだ?」
「・・・・・・・・・・」
「業、諦めなよ。翠月は僕とか業と違ってきっと頭がおかしいんだ」
「兄さん。夢幻さんの言うとおりだと思います」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「お前ら・・・好き勝手言い過ぎじゃないか?」
「ねぇ、翠月。温泉行きたい」
「だそうだ。温泉まで行ってくれ運転手」
その言葉でそこにいる全員が凍りついた。
「散々無視したあげく、温泉まで連れてけって・・・・・私達[初対面]よね!。今、なう、会ったばかりよね!」
「それがどうした?。てか、前見ないと事故るぞ」
「なんで、あんたらいきなり車の中に出てきたのよ!。説明しなさいよ!」
「あと何分で着くんだ?」
「え、あと10分くらいだけど・・・。って、私の質問に答えなさいよ!」
「詩織。あと10分だそうだ」
「私なら一瞬なのに」
「きけーーーー!。私の話をきけ!」
そろそろやばいのではないだろうか。
「よくここまで無視できるよね」
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