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「星空! 桜羽! こっちこっち!」
明るく手を振るのは親友の旦那さんであり自分の彼氏の同僚。
「紫月先に飲んでくれてよかったんだぞ?」
「そんなに時間かかんないって行ってたからさ、それに遊華が待つって言うから」
「桜羽、お疲れ様」
ふんわり優しい笑顔を向けてドリンクメニューを渡してくれるのは、中学からの同級生で親友の遊華(ゆか)。
「おつかれ様。お腹すいた~」
「あはは、ここ桜羽の好きな揚げ出し豆腐美味しいよ」
「ほんと!? 頼んで頼んで」
「朽木さん、ビールで良かったですか?」
「あ、はい。お願いします」
フードメニューを遊華と選んでる間に紫月さんと浅井さんは仕事の話をし始めた。
そんな2人に構わず自分達の食べたいものを選んでいた。
「お待ちどう様です」
先に頼んであったドリンクが運ばれてきた。
「はい」
「ありがとうございます」
浅井さんから受け取ったのは黒ビール。
「あの……」
「確かお好きでしたよね?」
「はい……」
「あ、普通の物と変えますか?」
「いえ、ありがとうございます」
確かに黒ビールは好きだった。
でもそれをはっきり口に出して私は浅井さんに言った事があっただろうか?
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