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正直ガッカリしなかったと言えば嘘になる。だが
「……ぷっ」
「………」
なっさけねぇ面だなオイ。声に出さなくてもわかるへこみ具合。しょんぼりと垂れた耳と尻尾が透けて見える。
それが世の中ではキャーキャーと騒がれるモデル様のする顔かよ。
心なしかいつもよりその髪からも太陽のような光が失われてる気までしてきた。
デート、か。そうだよな。楽しみにしてたもんな。
お互い全く違う世界の野郎が二人。一緒に住んでるつってもなかなか合わない休日。一緒のベッドに入りはするが、たまにキスさえする暇もない日々での久々の二人だけの時間。その日を待ち望みながら二人で決めた休日プラン。
映画に、気になっていた定食屋でのランチ。最近出来たバスケ専門店に行って、ぶらぶらと歩きながら旨い露店で買い食いして、それから。
「よし、ちょっと出て来っからお前は大人しく待ってろ」
んな顔すんなアホ犬め。予定はあくまで予定。切り替えも必要だと教えたはずだぜ、俺のエース。
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