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「ただい………おい、てめぇ、何でんなとこに………まさか俺が出てった時からじゃねぇーだろうなぁ」
ああ?しばくぞごら!
そう続けようと思ったが、やめた。あーめんどくせぇ!
「ほら」
でっけぇ子供。綺麗な青みがかった目に薄い膜。
「心細かったか、ん?」
広げた腕の中におさまり切れない身体を抱き返し、その背中をスンと鼻を啜る気配。ホント、子供みてぇで笑える。これが俺の知ってるコイツだ。
「俺が悪かった。な、許せよ」
無理矢理額と額を触れ合わす。ん、熱はねぇーな。
「デートしてぇんだろ?」
ホントは病院に行くか、寝てるのが一番だとわかってる。でも許せ。これは俺の我儘でもある。
「デート。しようぜ」
ぱちぱちと、瞬いた目に口付けた。
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