10月8日

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「ゆーきーのっ」 学校に着くと,真っ先に潤が私の方に寄ってきた。 「おはよう,潤」 「おはよ。雪野,今日誕生日だよね?」 そう言いながら,潤はなんの躊躇もなく私の席に座った。基本的に,立つのが私で座るのが潤。まあ私はそれでいいんだけど。 「うん。ありがと,覚えてくれたんだ」 「もちろん。自分の誕生日は忘れても雪野の誕生日は忘れない」 「何それ」 思わず笑いそうになる。 「いや,ホントに。おめでとう,雪野」 「ありがとう」 友達に祝ってもれえるのは素直に嬉しい。こんなのも今日ぐらいしかないわけだし。 「雪野,今日放課後暇?」 「え?うん。暇だけど」 「よし。それじゃあ遊ぼう。2人で」 「いいけど。潤,部活じゃないの?」 「大丈夫。サボるし」 堂々とサボり宣言する潤は凄いと思う。 「バスケか雪野かどっちか取れって言われたら,私は迷わず雪野を取る」 「ありがとう」 ツッコむべきなのか喜ぶべきなのか悩む。 「…座りたい?」 「え?いや別に,潤が座ってたいならそれでいいけど」 「そう。誕生日だし,譲ってあげてもいいかなって思ったけど。雪野がいいならいいや」 「まあ,元々私の席なんだけどね?」 「そうだっけ?」 潤はニヤッと笑ってそうとぼけた。確かに授業中意外は潤が座ってることの方が多い気がするけど。
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