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どした?ほっぺた赤いぞ?惚れた?」 「うるさい!見惚れてない!!赤くない!!!惚・れ・て・な・いっっ!!!」 こうして大きな反応をすれば相手の思うつぼだというのに、この男はそんな反応をせざるを得ない事をサラリと口にする。 よくもまぁ会って間もない異性に臆面も無くそんな事を言えるものだ。 スパーダはまたからからと笑う。 「いいね。いいリアクションしてくれるぜ本当。リアルでは相当ないじられキャラとみた」 「なワケないでしょ!?」 「あーシノン、落ち着けって。スパーダもほら、ちょっと口閉じろ」 ふーふーと荒い息を吐くシノンをなだめながらキリトはスパーダに自重を要請する。 しかしスパーダは拗ねたように唇を尖らせた。 「キリト。そりゃお前、俺からアイデンティティを奪おうってのか?」 「大丈夫だって。静かなお前にも魅力はあるはずだ」 「いーや無いね。俺が喋るのと喋らないのとじゃあ、カブトムシのオスとメスくらいの差がある」 「そ、そうか…………」 ………たとえがよくわからない。 キリトとシノンが同時にそう思った。 と、その時。 キリトが何かを思い出したかのようにメインウィンドウで現実世界の時間を確認し、いきなりあわて始めた。 「ヤバい!!今日スグの自主練に付き合う約束だった!!三十分オーバー!!」 「ふふっ。ログアウトしたらすぐ目の前にカンカンの直葉ちゃんがいると思うなあ、それ」 「う、うああ……戻りたくねー………」 どんより肩を落としつつ、ログアウトボタンに指を伸ばすキリト。 そしてその指が画面に触れようという時だった。 「っと、待った待った」 なぜかスパーダから待ったがかかった。 スパーダは急いでウィンドウを呼び出したかと思うと、何かしらの操作をした。 すると、ピロリンという軽い電子音と共に、シノンとキリトにメッセージが届いた。 二人はそのメッセージを開く。 スパーダからの戦友(フレンド)申請だった。 「あーその、よかったら」 「おう」 「……うん」 さっきとはうってかわって控え目な彼の態度にくすりと笑いつつ、シノンは承諾のボタンを押す。 キリトもまた承諾ボタンを押し、そしてまたどんよりしつつ「じゃあまた」と言ってログアウトしていった。 「怖い姉か妹でもいんのかな、アイツ」 「怖くはないよ」 「シノンさんはどうすんだ?」 「私は用事とかは無いし、まだここにいるかな」 「そか。じゃあどうだ?一緒にフィールドにでも出ないか」 「え?」
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