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「それとそろそろ戦利品の回収に向かっていいか?早くしねーと消えちまう」 「…………いいよ」 繰り出したい舌鋒はまだまだあったが、あれだけの戦いをして戦利品ゼロはさすがにひどい話なので一旦解放してあげることにした。 バイクの上でまた言ってやろう。 よいしょとスパーダは立ち上がり、敵を倒した場所を順繰りに巡り始めた。 「金は大分手に入ったけども、何か武器落としてねーかな………お、ベレッタM93R」 いいじゃんいいじゃんと一人言を言い、彼は戦利品を品定めしながらそれをアイテムストレージ内に収めていく。 シノンも回りを見回してみると、何だかドロップ品が多いような気がした。 ほとんど単騎であの人数を撃ち破った戦績に対するシステムからのボーナスなのかもしれない。 「コルトパイソン。さっき後ろから撃ってきた奴のかな?お、あそこにあんのは………PPSh41か。道理で弾切れしやがらねえと思った……」 「スパーダ。こんなの落ちてたけど」 「んー?」 こちらを向いたスパーダに、ふりふりとその銃を見せる。 自分はこのマシンガンの名前はわからないが、どうやら彼は知っていたらしい。 「MG42か。また高性能なの落っことしていったもんだ」 「いい銃なんだ。かわいそう」 「全くこんないいヤツを捨てていく奴の気が知れねえな。俺が拾う神であった事に感謝しろよ、なーお前ら」 「ふ、ふてぶてしい………」 あんたがやったのは強奪だし。 第一それはヴェクターをあっさり売り払った男のセリフじゃない。 わざとらしく銃に頬擦りしてみせるスパーダに、呆れたような目を向ける。 「つかさぁ、今思ったんだけどよ。何か敵さん、やたらと人数多くなかったか?………ウホッ、H&KG3」 「それは私も思った。あそこまで大人数のスコードロンなんていなかったと思うんだけど」 「おかげで大分ダメージ喰っちまったよ。あーまた体力が赤になりそう回復しとこ………フヒッ、L85A1」 「ドロップ品見ると、そこそこいい装備してるみたいだし。………もしかして、過去にあんたに負けた奴らが結託してリベンジに来たんじゃない?覚えてる顔いなかった?」 「………いた。何人か、そういえば。うわーマジか面倒くせえ………オフッ、M4カービン」 「ふふ、自業自得よ。あといちいち気色悪い声出すの止めて」 ライフルだのサブマシンガンだのを回収していくスパーダに、後半語気を変えて要求するシノン。
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