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「結局なにもないまま終わっちゃいましたね」
「そうっすね。3回くらいきた賊たちもそとのほうでたおしてくれたみたいっすし。」
「えっ」
「えっ」
「えっ、来ました?」
「来たじゃないすか。これに気づけないのは鍛錬が足りない証拠っすよ?」
「すいません…」
反省したようにうつむくレト。しかし心の中では、
(いや、いやいやいやいや、気づかないでしょ。えっ、来たの?マジ?えっ?えっ?)
めっちゃ動揺していた。
「努力あるのみっすよ、レト」
「はい…」
「さて、そろそろ帰るっすかね。」
重そうにサリナは腰を上げ、そのままテラスから出て行った。
「あっ、待って下さいよ~。」
レトも急いでサリナの後を追っていった。
「さて、弁解はあるか?サリナ、レト。」
後日、二人はクレドに正座させられていた。
「いや、あれはしょうがないっすよ?」
「ほう、なにがだ?」
「その…そう、私はすぐに警備に戻ろうとしたんすよ。でもレトがどうしても話したいって言うから…。ほら?部下の悩みやらなんやらを聞いてあげるのも?上司の仕事ですし?」
「サリナさん!?」
「私は無実なんすよね~。レトがお酒と食べ物持ってきたんすよ~。」
「嘘だっ!自分が行く前からお酒飲んでのんびりしてたじゃないですか!」
「なっ!してないっす!」
「嘘ですね!既に空の瓶が二本はありましたよ!」
「そんな飲んでないっす!丁度レトが来た時二本目開けたんすから!」
「ほら!飲んでたじゃないですか!」
「くっ!騙したっすね!」
「裏切ったのはそっちですよ」
二人の言い合いはエスカレートしていく。しかし、今は怒られている最中なわけで…
「二人ともあと五時間正座してろ!」
クレドの怒りが拳骨とともに爆発した。
「いっっっっっ!?!?」
「ふべっ!!」
「お前ら全く反省してないだろうけど、一応言っておくが二度とするなよ?」
「「はい…」」
「さて、説教は終わりだ、全員集合しろ!」
クレドの掛け声で一斉に隊員たちが集まって来た。
レトとサリナも集まろうと立ち上がったが、
「なんで立ってるんだ?後五時間正座と言ったろ?」
「えっ?ずっと?移動も?」
「当然だろう。早く来い。」
「隊長の鬼ィィィィイイイイ!」」
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