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「少しイラついてるのか?」
「当たり前っす。私第三姫嫌いなんすよね。わがままで。」
「声が大きいぞ、誰が聴いているかわからん。」
「誰が聴いていても関係ないっすよ。どうせなんにもできないっす。」
「何にもできなくても印象は変わるんだ。四番隊の評価にも関わる。」
「む、すいませんっす。」
「分かったならいい。俺は王に挨拶に行ってくる。お前は?」
「私は適当にぶらついてるっす。」
「そうか、じゃあな。」
そう言いクレドは人混みに紛れた。
「私も行くとするっす。」
そしてサリナも人混みに紛れた。
いや、紛れようとした。しかし誰かに腕を掴まれたせいで出来なかった。
「お嬢さん。少し私と話しませんか?」
金髪を後ろに流した男がサリナの腕を掴んでいた。身なりからしてかなり地位が高いのが分かる。
「結構っす。」
「まぁまぁそんなこと言わずに。」
「分からないっすか?嫌っす。」
「僕はパレス家です。七貴族の内の一家です。ほら、文句ないでしょう?」
七貴族:貴族の階級は上から三貴族、七貴族、中級貴族、下級貴族となっている。
この言葉を聞き、少なからずイラついていたサリナの機嫌が一気に悪くなった。
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