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「私に権力を使う気っすか?」
「そんなつもりはないですよ?ただ、七貴族の誘いを断ればどうなるかくらい分かるでしょう?」
「一つ言っておくっす。私は権力を使われることは嫌いっす。今やめれば何もしないっすけど、これ以上続けるなら相応の対応をさせてもらうっす。」
その言葉に今度は貴族の男がきれた。
「七貴族様にそんなことを言うな。貴様は良くて中級貴族の娘だろ?どこの家のものだ。」
サリナの纏う冷たく空気が変わった。
「権力を使われるのは嫌いと言った筈だ。いいだろう、答えてやる。私はハーレー・サリナ。三貴族のハーレー家の娘だ。」
「ハーレー家だと?嘘をつくな。ハーレー家の娘は現在家を出てると聴いているぞ。」
「ならこれを見ろ。」
そう言ってサリナは宝石の多くついた短剣を取り出した。」
「ここに家紋が入っているだろう。これで証明になったか?」
「な…!本当にハーレー家の…」
貴族の男の顔がみるみる青くなる。
「さて、私がハーレー家であることも証明出来たわけだし、貴様の処罰を決めよう。よもや七貴族如きが三貴族に楯突いてただで済むとは思っておるまいな?」
「申し訳ありません!誠に申し訳ありません!」
イラついた様子のサリナに必死に謝る貴族の男。
「謝罪などいらぬ。そうだ、貴様の罰を思いついたぞ。そのうるさい口を閉じてしまおう。」
しかしサリナは謝罪を気にもとめず、魔法を使った。
「ま、待ってくだ…。」
「バニッシュ。貴様の声を消した。」
「……!………………!!」
貴族の男は突然声がでなくなり驚いた様子だが、いくら叫ぼうとしても口からは空気が吐き出されるだけだった。
「これで少しは静かになったな。…ふぅ。この喋り方は疲れるっすね。」
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