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周りの貴族が騒ぎ始めた。当然のことだろう。今まで本当にいるかも分からなかった三貴族の娘が近くに居るのだから。
周りの、特に男の貴族は少しでも親密な仲になろうとし、近づこうとした。
しかし、サリナの言葉によって止められた。
「私には話しかけないで欲しいっす。弱いやつは嫌いなんす。」
三貴族の言葉に逆らえる筈もない。
「それと私はこれからバルコニーに行かせてもらうっすから、近づかないで欲しいっす。」
最後にそれだけを言うとサリナは立ち去った。
「あいつの貴族嫌いは知っているがここまで…。」
「あっ隊長!一人みたいですけどサリナ副隊長はどうされたんですか?」
「レト、お前はあれを見てなかったのか?」
今クレドに話しかけたのはレト・ユーシ。四番隊最年少でありサリナより一歳若い。
「あれ?あれってなんですか?」
「見てないならいい。そうだ、サリナはバルコニーに行った筈だ。」
「本当ですか?自分も行ってきます。そうだ、お酒と料理も持ってと、」
「おい、あいつは今…」
サリナの機嫌を考えレトを止めようとしたが、
「行ってきます隊長!待っててくださいサリナさーん!」
もう行ってしまった。
「はぁ…」
クレドの口からはため息が漏れた。
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