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「外泊なんかして…怒られないか?」
室長がネクタイを外し、シャツのボタンを緩めた。
父がそうする姿は何度も見ているけれど、
室長がするのでは全然違う。
男の人の…色っぽさ。
実のところ、私なんかよりよっぽど色気があるんじゃないかと思う。
私はなんとなく目を逸らした。
「…怒られたりしません…もう、子供じゃないんですから」
「ならいいが」
そっぽを向いた私に室長が言った。
「もう眠いだろ?適当な着替えしかないけど、風呂に行くといい。風呂は廊下を戻って左側だ」
「…まだ…眠くなんてないです」
「そうか?無理するな」
「…無理なんてしてません」
すると、室長が私に近付く。
私を間近で見下ろしながら、私の顔に手を添えた。
…キス…
…される
そう思ったのに、室長は私の頬を撫でるだけ。
「目が…とろんとしてる。いい子はもう寝る時間だ」
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