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コンコン…
かすれるようなノックの後に、返事を待たずにドアを開けた。
ドアを開けると…
暗い部屋で彼女はベッドに腰掛けてた。
ドアの隙間から洩れる明かりで照らされた彼女の顔が泣いていた。
「…どう…したんですか?」
彼女は慌てて涙を拭き、俺から顔を背(ソム)けて言った。
真っ暗な部屋で紺色のTシャツを着た彼女のカラダは
細い腕と
白い足が
妖しく浮かんでいた。
「…もう…寝るところですから、室長も私に構わず寝てください。なんなら私がソファに…」
彼女は俺に何か言われる前に、必死で言葉を走らせていた。
俺はそれを途中で遮った。
「…出来なくなった…」
「…え…」
「君を早く寝かせて自分も寝てしまおうと思ってたけど…できなくなった」
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