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銀狼さんが、泣きじゃくる夏月さんに聞かされた現実。
「あのね……。電気も水道も止まっていてね……食べる物も少なくて……
うん。携帯は車で充電出来てる……。でも、ガソリンが残り少ないの。
だから、エンジンは掛けてないんだ……へへ。寒いよ……。
ううん。アパートのお部屋に灯油はあるんだけれど、でもね。家の基礎にヒビが入ってて、崩れそうだから……。
ねえ……あのね……
道端に……沢山の人達の遺体がそのまま……そのままなんだよ?」
北九州に地震の影響は無かったから、銀狼さんの目前に広がるのはいつもと変わらぬ平穏な街並み。
電話の向こうから伝わる
宮城を襲った現実とのギャップに……戸惑う。
「銀ちゃん……ねぇ……助け……きゃぁ!!!!怖いよ!!!!」
電話中にも繰り返し襲ってくる地震。
その度にパニックに陥り過呼吸を起こす夏月さんをなだめながら
銀狼さんは考えていた。
『俺たちはどうすればいい?』
そして、夏月さんが伝えてきた言葉……
「ねぇ……銀ちゃん……食べ物が欲しい……」
その言葉を受けた銀狼さんは被災地への物資輸送を試みる。
しかし。突きつけられた現実は生易しい物では無かった。物資を運ぼうと試みるが、運送会社が動かない。
それならばと、自衛隊に連絡するも動かない。
手当たり次第に配送手段を探すが、全てに断られ
八方塞がりとなってしまった。
(どうする?)
そして銀狼さんは
E★エブリスタのクリエイター達に呼びかけた──
画像番号 305721
撮影場所 宮城県 仙台市
撮影日時 2011:03:11 16:01:11
所有者 仙台市
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