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オリユウ カイリツ
私の大きな欠伸を見た生徒会長、檻幽 戒律が話し掛けてきました。
正直、この人のことはあまり好きではありません。人柄はとても良い人なんですけどね。
「はい、ちょっとやることがたくさんありまして……」
「? 課題でも溜まってるの?」
「いえ、ちょっと仕事を……」
言っていることは間違ってないでしょう。しかし、檻幽生徒会長は不思議そうに首を傾げます。鋭い勘です。
「まさか力を使ってませんよね? マナー違反なので、止めてくださいね?」
「まさか、僕はそこまでデリカシーに欠ける男じゃないよ」
と言うのも、彼は妖怪、覚なのです。だから、知らない間に心の中を覗かれることも有り得る訳です。
尤も、彼はそんなことをするような人ではないことくらい分かってますけどね。
テンタカ
「天高さん、そう思ってくれてるなら、そんな目で僕のことを見るのは止めよう? ちょっと悲しくなってきたから……」
「って、やっぱり読んでるんじゃないですか! プライバシーの侵害だなぁ」
「君のジト目を見たから、慌てて心を読んだんだよ!」
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