ソラシアン

ネム

　失礼な。ジト目なんて、私とは全く無縁の言葉だと言うのに。

　「せっ、生徒会長……天高会計も……あまり騒いでいると、先生や、警備員の方々に怒られてしまいますよぅ……」

　弱々しい語調でそう言ったのは、ショートヘアーの少女でした。

　ﾀｷｶﾞﾐ ﾚﾝ
　滝上 恋。2年生。白うねりと言う妖怪です。生徒会では、庶務の役職に就いています。普段からおどおどしていて、気の弱い性格ですが、それでも個性の強い生徒会に所属するだけあって、その実力はかなりのものです。

　「あはは、別に騒いでいる訳ではありませんよぅ。それに、そんなことを言っているあなたの方こそ騒がしいんじゃない？」

　「……はぅ。ご、ごめんなさいぃぃ……」

　途端に、涙をボロボロと溢して、謝り始めてしまいました。

　あっ、と後悔しても遅いもので、今度は私が周りの人達からジト目で見られています。

　「あーあ、何やってんだよ、あんたは……」

　ぶっきらぼうに言うのは、茶髪の髪を後ろに縛った男子生徒です。

　ﾂｷﾐﾔ ﾘｵ
　月宮 梨緒。1年生。口は悪いですが、根は良い人です。彼は生徒会唯一の人間です。