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「いや、謀反って家来が主を裏切ることじゃないですか」
俺がいつあんたの家来になりましたかーー月宮君が面倒臭そうに言います。
「先輩……今、とてもウザいです」
杭淵君がげんなりしたように言います。彼は時々強い毒を吐きますよね……。
「……分かりましたよ、聞けば良いんでしょ? 先輩、あんたーー」
「いや、知らない」
即座に私以外の全員が転けました。
「何だったんだ、今のどーでも良いやり取りは!?」
「これがやりたいがための振りです☆」
皆何かを言いたそうに私を睨むけど、グッドタイミングで部屋に置かれた大きな柱時計が鳴りました。
「さっ! 今日はもう遅いですし、さっさと帰りましょう」
言うと、皆は苦笑して納得してくれました。
流石、皆は心が広い。
外を見ると、真っ暗で、ちらほらと純白の雪が舞っていました。
12月上旬、季節はもう冬となり、太陽のある時間はかなり短い。
「早く帰りましょう」
私は告げます。最後に、
「夜は物騒ですからね」
と、付け加えることを忘れずに。
私が先輩だから、なんて理屈は今更ながら通用しません。
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