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昔なら絶対に出来なかった化学の力。きっと魔法と呼ばれていても、不思議ではなかったでしょう。
そして、その色を好む私が魔女だと言うのだから、おかしな話です。
シアンブルーのマントを翻し、私は夜の公園に立っていました。
目的はただ一つ。
人の願いを叶えるため。
「……寒いなぁ」
鼻水が垂れてきました。流石に12月でこの格好ーー肌をそこそこ露出したロリータに、シアンブルーのマントは無謀でしたか……。
木製の杖で、どうやっても寒さは凌げませんし。
「……やっぱり、来ないかなぁ……?」
ならば、それでも良い。
「……こちらから探して回れば良いのですから♪」
多分、私は今、凄く気持ちの悪い笑みを浮かべているのでしょう。それで良い。私は魔女、人間とはどこか違う。化け物なのですから。
気持ち悪いくらいがちょうど良い、とか思っている自分が何だか気持ち悪かったり、と適当なことを独りごちながら、私は夜空を飛行するのでした。
魔女が箒に跨がって空を飛ぶ、と言うのは有名な話ですが、それと同じくらい黒猫や鴉を使い魔として扱うのも有名な話です。
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