11/21
前へ
/35ページ
次へ
再び服を着替え、軽く汗のケアをする。 と言ってもここは病院の外来だ。 体をタオルで拭き制汗剤で汗の臭いを抑えるという、最低限の気休め程度の事しかできない。 内科外来の待合室には、今日も多くの患者が順番を待っている。 長時間待たされる受診の時。 だけど検査のある日は優先的に名前を呼んでもらえた。 ―――『野々村さん、野々村笑美さん。 13番診察室にお入り下さい。』 インターホンのスピーカーから聞こえる鵜飼先生の声。 私は指示通り、彼の待つ13番診察室へと入って行った。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加